アドバンテッジパートナーズ、ファンドの投資家向け情報共有プラットフォームにイントラリンクスを採用

株式会社アドバンテッジパートナーズ(以下、AP)は、同社がサービスを 提供するファンドの投資家向け情報共有プラットフォームとして、イント ラリンクスが提供するファンドレポーティングサービスを導入しました。 これまで利用していた投資家ポータルの様々な課題を解消し、分散して いた情報を集約することで、情報管理にかかっていた負荷を軽減すると ともに、投資家との円滑なコミュニケーションを図ることのできるプラットフォームを実現しています。

お客様の声
「業界のデファクトスタンダードであるイントラリンクスのファンドレ ポーティングプラットフォームは、情報共有プラットフォームとして最 適の選択でした」(アドバンテッジパートナーズ パートナー チーフ・ア ドミニストレーティブ・オフィサー 馬場 勝也氏)

課題

APは1997年に国内で最初のバイアウト専用ファンドを立ち上げたPEファンド 業界のパイオニア企業です。グループ全体での投資件数は2020年末時点で累 計95件に上り、毎年3~4件の投資を実行しています。グループ全体での運用 資産残高は、累計で約5,500億円超、現行ファンド合計で約2,200億円超とな ります。近年は経営支援を伴う上場企業へのマイノリティ投資を行うファンド による投資も拡大させているほか、香港・上海・シンガポールに展開するオフ ィスを通じてアジア地域でのバイアウトファンドの投資も実行しています。 そんなAPでは、ファンドの情報提供・管理を目的として2013年に投資家ポー タルを導入し、運用してきました。しかし、同社のパートナー/チーフ・アドミニス トレーティブ・オフィサーの馬場 勝也氏によると、従来の投資家ポータルには 多くの課題があったと言います。

「当初は別の投資家ポータルを導入しており、それまでのメールベースの情 報共有から切り替えていったものの、導入した投資家ポータルは日本語対応 やサポート、機能・使い勝手など様々な面で満足のいくレベルにありませんで した。それに加え、アップグレードの実施によって運用コストが跳ね上がり、次 第に不満が高まっていきました。また、海外投資家向けに外部のファンドアド ミニストレーターが提供するポータルを利用したり、小規模に開始したファン ドではポータルを使わずにメールベースで情報共有を行ったりと、ファンド運 営に必要な情報が各所に分散していることが大きな課題でした」(馬場氏)

ソリューション

このような課題を解決するために、APは全ファンドの情報を集約できる情報 共有プラットフォームの導入再検討を実施。2018年に複数のソリューションを 候補に挙げて比較検討した結果、イントラリンクスのファンドレポーティングプ ラットフォームを導入することにしました。馬場氏は、イントラリンクスの採用 理由について次のように話します。

「イントラリンクスのプラットフォームは、当社でも従来からファンドレイズや ディールなどで利用実績がありました。また、金融機関で多数の利用実績が あり、ファイアウォールのホワイトリストにあらかじめ登録されていることも大 きな利点です。業界のデファクトスタンダードとして他社でも多く採用されて いるので、投資家もとくに制約を受けずに利用を開始することができます。さ らに、権限設定やセキュリティの高さ、サポートなども申し分のないレベルだ ったこともあり、これらが決め手となってイントラリンクスを当社の新しい情 報共有プラットフォームとして導入することにしました」(馬場氏)

APがイントラリンクスのファンドレポーティングプラットフォームを導入したの は、2020年5月のこと。2020年内には従来の投資家ポータルや外部のファン ドアドミニストレーターが提供するポータルからの情報集約を進め、2021年 からはイントラリンクスのサービスに一本化し投資家向けの情報提供を開始 しています。

導入効果

イントラリンクスのファンドレポーティングプラットフォームの導入により、AP では様々な導入効果を実感しているそうです。イントラリンクスのサービス運 用を担当する同社ヴァイス・プレジデントのケーシー・キースタ氏は、情報管 理の複雑さが解消されたことが一番の効果だと言います。

「これまでは既存の投資家ポータルなどあちこちに情報が分散していたた め、経験の浅いメンバーは必要な情報を探し出して閲覧するまでに時間と手 間がかかっていました。それに対し、情報がイントラリンクスのファンドレポー ティングプラットフォームへ一元的に集約されたことにより、情報管理が容易 になって円滑なコミュニケーションが図ることができています。また、外部の ファンドアドミニ ストレ ー タ ー が 提 供 す る ポ ー タル で は 複 数 段 階 の I D / パ ス ワ ー ド 認 証 が 求 め ら れ た り 、必 要 な 情 報 の ア ッ プ ロ ー ド を 依 頼 で き る 時 間 が決まっていたりするなど使い勝手の面で問題がありましたが、こうした部 分も解消されました」(キースタ氏)

移行した当初は、ファンドの投資家から使い方に関する問い合わせがあるこ とも予想していたそうですが、実際には問い合わせはほとんどなく、スムーズに運用できているとのことです。このような問い合わせ対応の業務負荷が軽 減したことも大きな導入効果だと見ているそうです。

さらに、投資家へキャピタルコール通知書を作成・送付するアカウンティング 部隊においても、イントラリンクスのレポート配信ツールである「Filesplit」を 駆使することにより、キャピタルコール通知書の複数投資家への自動配布が 可能となり、誤送信リスクを軽減し、効率的な一斉配信ができるようになった と言います。

今後の展開

APがサービスを提供するファンドでは、引き続き活発な投資活動が続いてお り、既存ファンドに関する高頻度での情報提供と継続的なファンドレイズ活動 が見込まれていると言います。また、パンデミックがグローバルに長期化する 中で、オンラインでの情報提供の質と量を高める必要がますます高まると同時 に、社内の業務プロセスと投資家含めた幅広い社外の関係者に対する情報提 供をシームレスに統合するニーズが今後高まるものと考えているそうです。こう した観点から、業務インフラ全般の継続的な改善について多面的な検討を進 めていると言います。

「当社にとって情報共有プラットフォームとは、“書庫”というよりも投資家と のコミュニケーションの場であることが重要だと考えています。現在は静的な ドキュメントの情報共有のためにイントラリンクスのファンドレポーティングプ ラットフォームを利用していますが、将来的には動画のストリーミング配信と いったオンデマンドなコンテンツも含め、オウンドメディアとして機能する情報 共有プラットフォームを構築していくことが一つの方向性だと考えており、そ れを目指した取り組みを進めていく予定です」(馬場氏)

APが導入したイントラリンクスのサービスは、ファンドの情報共有を支えるプラ ットフォームとして、親会社であるファンドアドミニストレーションの世界最大手 でのあるSS&Cテクノロジーズとの今後の連携を含めて、さらに発展していくこ とが期待されています。