3 minutes

コロナ後の世界におけるプライベートエクイティ:ステーク、スケール、清掃業者

現在はまたとない「最大の技術進化」のとき

 

PrivateEquity-Intralinks-INsights

SS&Cイントラリンクスのオルタナティブ投資バーチャル・サミットを締めくくり、キーノートスピーカーのGGV Capital マネージングパートナー ハンス・タング氏、Morgan Creek Capital 創設者兼CEO&CIO マーク・ユスコ氏、The Rocket Creek Group マネージングディレクター アリフィア・ドリワラ氏が、世界中の企業が将来およびコロナ後の世界に目を向けるなかでのプライベートエクイティ(PE)の現状について話し合いました。Chantico Global社CEOのジーナ・サンチェス氏がこのパネルディスカッションの司会を務めました。

グループはパネリストがここ数カ月間フォローし、かつ利用してきた機会とトレンド、特に今後1年間に勢いを得ると期待されるものについて概観しました。マークはデジタル資産、特に非代替性トークン(non-fungible tokens: NFTs)で起きていることに感心していると述べました。彼の会社は最近、非公開の暗号通貨取引所 Geminiへのラウンドを主導し成功を収めました。Geminiは2021年12月にNifty GatewayでのNFT売却で世界最高金額を記録しています。

アリフィアは人工知能(AI)とマシンラーニング、およびこれらの技術を利用した雇用や教育の変化に注目していると述べました。「雇用における偏見を除去して最良の人材を得るためにAI(の利用)に注目している興味深い会社にいくつか投資しました」と彼女は説明しました。

ハンスの会社では、デジタル分野について初期投資を行い、有意義なステークを取得して企業のスケーリングに取り組むことに焦点を当てるアプローチを取っているといいます。しかし「単に初期投資を行ったり世界中のテックのクラスターに投資するということではなく、テックはより長期にわたって他のセクターをアウトパフォームするだろうと考えています。その背景にあるテーマは実際には、より長期にわたってのオフライン経済のデジタル化なのです」と加えています。

ハンスは例を二つ挙げました。それはメディアと小売です。彼によると、メディアは米国で最もインターネットが浸透しているセクターですが、デジタルマーケティングは広告支出全体の46%に過ぎません。米国小売業界において、電子商取引は売上全体の約15%を占めています。世界で最も電子商取引が発達しているとみられている中国でも、まだ約25%に過ぎません。これらのセクターの大幅な成長はまだこれからで、そこが彼やパートナーが注目している点です。 

課題の特定

ここでジーナが会話を知見から障害へと向けました。「みなさんの分野にはどんな課題がありますか」と彼女はパネリストに聞きました。

アリフィアは、持続可能なインフラの分野においては、必要なスケールに達した会社はまだほとんどないと述べました。投資家は早期に投資して、相当のリスクを負う必要があります。「自分のポートフォリオに有益な方法で投資する必要があります」と彼女はアドバイスしました。「そして、大きすぎるリスクを取らないようにするのです」

マークはレガシー産業における変化への抵抗と、これらのセクターの主要なプレーヤーが規制対応に影響を与える方法について懸念を示しました。彼によると、既存企業は規制を利用して崩壊を減速させようとしています。

「もうずっとそんな感じです」と彼は述べ、世紀末前後のニューヨークの例を挙げました。初期の自動車がニューヨークの街路を走り始めた頃、馬による交通が残す汚物から利益を得ていた街路清掃業者は、馬なしの車の運転を違法とする法律を通過させようとしました。この戦術は失敗に終わりました。「イノベーションは存在し、それは起きるのです」 

進化を抑制するもう一つの要素は、特に米国において、勢いを持続させるためのきちんと教育を受けた人材が不足していることです。「デジタルの将来にとっての最大のリスクは教育だと思います」と彼は述べました。「今日、米国では45万人のSTEMエンジニアが卒業していますが、これではとても十分とは言えません。中国では450万人が卒業します」

こうした懸念はあるものの、技術革新とそれが今後数年間に果たす役割については全員が信頼を表明しました。「私たちは人生でおそらくまたとない最大の技術進化を目前にしているのです」とマークは言いました。

再生ボタンを押してディスカッションを全部見て、参加者のさらなる知見をお聞きください。

Meghan McAlpine